京つう

アート/芸術  |洛中

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2008年10月01日

太陽の光が描く大宇宙(大徳寺龍源院「東滴壺」)

「東滴壺」(とうてきこ)
これは、京都の洛北にある大徳寺の塔頭(たっちゅう)のひとつの龍源院にある四坪ほどの石庭です。
方丈と庫裏のわずかな空間に作られたこの石庭。
一滴一滴が大海につながるという禅の悟りの世界を表しているそうです。
この石庭のすごさは、太陽の光をうまく使って、小さな庭に小宇宙を表現していることです。




夏ごろの太陽の光は、方丈と庫裏のわずかな屋根の間から差し込み、昼前から庭の西側を帯状に照らし出します。
その光は帯のように石庭に注ぎ込みます。
これを見れるのは、季節と時間とそして天候が全て合った時だけです。




この光は、徐々に東へ移動し、中央の白砂利を輝かせながら1時間ほどで西側の縁に抜け出ます。
太陽の光をその石庭の中にうまく誘い込んで、小宇宙から大宇宙をも表現してしまうこの石庭には、驚かされました。



石庭の説明書きには、「何事をなすにも小さな自己を捨て思い切ってぶつかれば必ず何事も成就すると、この石庭は物語っている」と書かれていました。

  

Posted by Norichan at 21:30Comments(2)京の旅