芭蕉の町 俳句の町(三重・伊賀市)

Norichan

2010年03月21日 13:30

伊賀は、松尾芭蕉の生まれた町です。
ですから、伊賀の街の中には、あちこちに芭蕉の句碑があります。

「月ぞしるへこなたへ入せ旅の宿」
~この明るい月の光が道案内です。どうぞこちらへおいでになってください、この旅の宿へ~
(JR伊賀上野駅前)
●伊賀への旅の入口にふさわしい一句だと思いました。




「升かふて分別かわる月見かな」
~市で名物の升を買ったら思いが替わって月見の句会に出ず、帰ってしまった。申し訳ないことをした~
(伊勢市役所前)
芭蕉が体調を崩していたんですね。
●「升を買ったため」といって詫びたのが、彼らしさですね。




「やまざとはまんざい遅し梅の花」
伊陽山中初春
~辺鄙な山里には万歳も遅い。正月も半ば過ぎて梅も花盛りを迎えた今頃、やっと来たことよ~
(上野公園東入口)
●三河万歳でしょうか・・・。山里の春の風情とのどかさが感じられます。




「古里や臍のをに泣くとしのくれ」
~年の暮れに年老いた兄妹のいる故郷の生家に帰り、自分のへその緒をふと手に取ってみた。今はなき父母の面影が偲ばれ、懐旧の情に堪えかね涙にくれるばかりである~
(松尾芭蕉翁生家)
●私も自分の臍の緒を見たことがあります。故郷に帰って亡き母を思う芭蕉の思いが伝わってきます。




「冬籠りまたよりそはん此はしら」
~今年は久しぶりに自分の草庵で冬籠りをすることになった。いつも背を寄せ親しんできたこの柱に、今年もまた寄りかかってひと冬隠居を楽しむことにしよう~
(松尾芭蕉翁生家・無名庵跡)
●生まれ育った場所に戻ってゆっくり出来ることへの安堵感を感じます。年を取ると、やはり故郷が一番落ち着くものでしょう。




「家はみな杖にしら髪の墓参り」
~故郷の盆会に一族の者と墓参りにでかけた。みな年老いてしまい、杖をつき白髪の者もいる。自分もまた同じように、年をとってしまったものだ~
(愛染院)
●年齢を重ねると、同じような思いを感じることがあります。それが人生なんでしょうね。




いろんな芭蕉の句碑を見ながら、いつの世も人生の中で思うことはいっしょなんだと、あらためて感じました。

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