一途に咲くかきつばた (上賀茂・大田神社)
上賀茂神社の摂社となる大田神社には、この時期になるとかきつばたが可憐な花を咲かせます。
「神山や 大田ノ沢のかきつばた ふかきたのみは いろにみゆらむ」 (藤原俊成卿)
上賀茂神社の御降臨山である神山の近くにある大田神社のかきつばた 人々がよくよくお願いする恋事(いろ)はこの花のように何と一途(一色)で美しく可憐なのだろうか
と歌われているように、平安時代から名高い花だったようです。
かきつばたが一面に咲き、鮮やかな紫色の花で染まっていました。
この風景は、平安の世から続いているのでしょう。
かきつばた、あやめ、しょうぶの違いは、かきつばたが水を好むのに対し、あやめは陸を好み、かきつばたが5月に咲くのに対して、しょうぶは6月に花をつけるということです。
かきつばたは、伊勢物語で在原業平が有名なカキツバタの歌を詠ったのが三河の国だったことから、愛知県の県花だそうです。
大田神社は、飾り気のなく、ひっそりとしたお社でした。
関連記事