京つう

アート/芸術  |洛中

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2008年09月22日

「生かされている」と思った職場復帰の日

きょうは、5月の入院以来、4ヶ月ぶりに職場復帰しました。

がん検診のために受けたPET検診では「がん」は見つからず弓部大動脈瘤が見つかり、弓部大動脈瘤の術前検査で左肺に「がん」が見つかり、そして、2ヶ月の間に、2つの大きな手術を経験しました。
でも、退院後2ヶ月で復帰できたのは、本当に幸いです。
というか、きょう会社に出て、詳しく説明した人達からは、口々に「運が良かったね。」と言われました。
本当にそうです。

東山魁夷は、昭和50年6月6日の奈良唐招提寺での鑑真和上開山忌の記念講演でこんなことを述べられています。
「私はずっと以前から、自分は生きているのではなくて、生かされていると感じる、また、人生の歩みも、歩んでいるのではなくて、歩まされていると感じる、そういう考えのもとに今日まで、自分の道をたどってきたような気がするのです。
私は宗教心の薄いものでありますから、私がなにによって生かされ、なにによって歩かされているかは、わからないのであります。しかしそう感じることによって、地上に存在するすべてのものと自己とが同じ宿命につながる、その根をもつ、同根の存在であると感じたのです。」
(「日本の美を求めて」(講談社学術文庫:580円)より




「私は運がいいんだ」と思ったと同時に、もう一度みんなと顔をあわせて話せることは、自分だけの意思で動いているのではない、生かされているんだ」と感じました。

「生かされている」という言葉は、謙虚な良い言葉だと思います。
人間は自分ひとりで生きているわけではありません。
いろんな人に助けられながら、生かされています。
そして、誰かの力、何かの力で生かされていると思うことによって、他人との共生、そして、自然との共生が成り立つのではないかと思いました。
ちょうど自宅療養の最後に読んだ本が、この東山魁夷の「日本の美を求めて」でした。

きょうは、みんなが、「運が良かったな」の次に「無理するなよ!」と言ってくれました。
感謝の気持ちをいっぱい感じた一日でした。



空は、久しぶりに快晴でした。  

Posted by Norichan at 21:00Comments(4)私の思い