京つう

アート/芸術  |洛中

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2010年07月06日

五行の世界 (智積院)

雨の中に、鮮やかさを感じる智積院の講堂。




講堂は、かつて方丈と呼ばれていました。
しかし、天和2年(1682)7月に焼失。
貞亨元年(1684)に再建されたものの、昭和22年におしくも焼失。
現在の建物は、平成7年(1995)10月に完成したものです。




まだまだ、新しい檜の香りがします。




この五色の吹き流しは、古代中国の「五行説」(ごぎょうせつ)に由来しています。
万物は、木・火・土(大地)・金・水の五つの要素で形成されているとの考え方。
五行説では、 木火土金水がそれぞれ「相生(そうじょう/互いを生みだし伸ばし合う)」と「相剋(そうこく/互いに制し滅し合う)」の相を持っていると説きます。
木は火を・火は土を・土は金を・金は水を・水は木を生み、逆に木は土を・土は水を・水は火を・火は金・金は木を制するとされます。

講堂には、平成20年秋、田渕俊夫画伯が奉納された襖絵。
その「不二の間」に、夕日と朝日の水墨画があります。
二つにあらず・・・
その説明文に書かれていた言葉が、ヒンドゥー教のシバ神の話。
「破壊と創造」
破壊があるから、創造がある・・・
それは、別々のものではなく、互いに表裏の関係にあるというのです。




陰陽の世界。
不況の後には好況がくる。
不幸の後には幸せがくる。

講堂の中のあった田渕画伯の水墨画の襖絵のモノトーンと、講堂の外の吹流しの華やかな色彩には、こんな密接な関係のあることを、今回はじめて感じました。
  

Posted by Norichan at 10:00Comments(0)京の旅