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2011年03月03日

一途な思い (随心院・小野小町)

随心院にある「小町化粧の井」付近に、小野小町の家があったといわれています。

「花の色は うつりにけりな いたづらに
      わが身世にふる ながめせしまに」

             小野小町『古今集』

一途な思い (随心院・小野小町)


これが、屋敷址に残る化粧井戸で、小町が朝夕この水で化粧したそうです。

一途な思い (随心院・小野小町)


これは、隋心院に残る”かやの実”です。
小野小町には、こんなエピソードが残っています。

一途な思い (随心院・小野小町)


謡曲「通小町」の前段に、深草少将が小町の許に百夜通ったという伝説の舞台がここ随心院です。

・・・・・・・
積もる思いを胸に秘めて訪れてきた少将でしたが、小町は冷たかった。
少将は「あなたの心が解けるまで幾夜でも参ります。今日は第一夜です」と、その標に門前の”かやの木”を出した。
通いつめた九十九夜-その日は雪の夜であった。
門前にたどり着いた少将は疲れ切って九十九個目の”かやの実”を手にしたまま倒れ再起出来なかったという。
・・・・・・・

随心院に残る”かやの実”の上部の左右には、糸で通して日数を数えた跡が残っていました。
深草少将の一途さに涙します。

その”かやの木”が今も随心院の裏にそびえています。

一途な思い (随心院・小野小町)


そして、この「文塚」には、深草少将を始め多くの貴公子より寄せられた文章が収められていると言われています。
小野小町は、さぞかし美人だったのでしょうが、本当の「愛」を理解できたのでしょうか。

「花の色は うつりにけりな いたづらに
      わが身世にふる ながめせしまに」

(現代語訳)
「花の色も私の美しさも、もはや色あせてしまったなあ、
   私が物思いにふけり外を眺めていたうちに、花が春の長雨にうたれて散るように」

一途な思い (随心院・小野小町)


わたしの「小町」は元気にしているでしょうか・・・





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Posted by Norichan at 09:00│Comments(0)京の旅
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